“言われた通り”の仕事から脱却せよ

倉庫会社が今こそ持つべき「自社販売できる独自サービス」とは?
「うちの経営、いつもギリギリなんだよな」
「顧客に依存しすぎていて、先行きが読めない…」
そんな悩みを感じている中小倉庫業・作業請負業の経営者の方は、決して少なくありません。
一生懸命にやっているのに利益が残らない。契約がひとつ終わるだけで経営に大きな影響が出る——。
実はその背景には、業界の「構造的な課題」があるかもしれません。
顧客と一蓮托生になるビジネス構造の限界
これまでの倉庫業・作業請負業は、顧客から求められたことを確実にこなす「受け身型」のビジネスモデルが主流でした。
言われた通りに正確に、丁寧に、スピーディーに対応する。まさに「縁の下の力持ち」として機能してきた業態です。
右肩上がりの経済成長期においては、それでも問題ありませんでした。顧客企業が成長し続ける限り、自社も仕事を得ることができたからです。
しかし現在は、あらゆる業界で変化が激しくなり、大手企業ですら経営の先行きが見通せない時代です。
そんな中で、ひとつの顧客に過度に依存していると、どうなるでしょうか。
その顧客の業績が悪化したり、方向転換をしたりすることで、自社も一緒に苦境に陥ってしまいます。
いわば、顧客と一蓮托生。顧客が傾けば、自社も一緒に沈んでしまう危険性を常にはらんでいるのです。
経営の安定には「自由度」が必要です
経営を安定させるためには、売上や受注数だけを追うのでは不十分です。
本当の意味での安定とは、「自社の判断で、自社の意思で、動けるかどうか」にかかっています。
この“自由度”を手に入れる手段として、有効なのが「自社で販売できる独自のサービス」を持つことです。
「そんなこと、うちみたいな小さな会社にできるのか?」と思われるかもしれません。
もちろん、いきなり大きなことをする必要はありません。
ポイントは、小さくてもよいので「自社で価格を決め」「自社で売り先を選べる」商材やサービスを持つことです。
これがあるだけで、経営における選択肢が大きく広がります。
なぜ独自サービスが必要なのか?3つの理由
では、なぜ独自サービスが経営にとって重要なのでしょうか?
理由は大きく分けて3つあります。
① 価格主導権を握れる
受託業務では、価格は相手の言い値になりがちです。
しかし、自社サービスであれば、価格は自分で決めることができます。
利益率を確保しやすくなり、経営の体力がついてきます。
② マーケティングの力がつく
売るためには、誰に、どのように伝えるかを考える必要があります。
この経験が、営業力やサービス設計力を育て、自社全体の力になります。
③ 長期的に価値のある“資産”になる
受託業務は、契約が終わればゼロに戻ります。
一方で、自社サービスは蓄積していく資産になります。
顧客との関係性、ブランド、ノウハウ——すべてが将来の財産になるのです。
まずは「売る意思」を持つところから
大切なのは、「最初から完璧な商品を作ること」ではありません。
まずは、「自社で売る」という意志を持ち、最初の一歩を踏み出すことです。
例えば、ある地方の倉庫業者は、防災用品の長期保管サービスを個人向けに提供し始めました。
月額わずかな金額ですが、安定した収益となり、地域での認知も高まりました。
このように、小さな取り組みが経営の大きな安定につながることも珍しくありません。
10年先のために、今できる一歩を
今のような不安定な時代だからこそ、「顧客に言われたことをやるだけ」の受け身の姿勢から脱却する必要があります。
自社で考え、自社で決め、自社で売る。その自由度が、将来の安定をつくります。
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10年後も自信を持って経営を続けられるように、今ここから、一緒に考えていきましょう。